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『サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福』ユヴァル・ノア・ハラリ ☆5

人類(ホモ・サピエンス)の繁栄は、神話・宗教・国家などの”虚構”を共有できたことであるというユニークな観点で人類史を描いた本。上巻は他の原始人類を凌駕したホモ・サピエンスの誕生から、貨幣経済・古代王国/帝国の形成まで。



サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

人類(ホモ・サピエンス)は二足歩行による脳の大容量化の代償として、筋力が衰えるとともに、より未成熟な状態で子供を産むようになった。一方で、筋力で勝る大型動物や他の原資人類に対抗するためには社会性を養って集団で生活し、”個”ではなく”群”で他の生物を凌駕するようになっていった。集団生活をするためには秩序が必要であり、数万年前に起こった”認知革命”によって道具が生まれ、言語が生まれ、神話・偶像崇拝などにつながる”虚構”が生まれ、共通の”虚構”を信じることで集団としてのまとまりを強化していった。

人が集団で生活できる限度は150人だが、宗教や法制度・国家などの”虚構”を共有することで国民国家が維持できているということである。逆に、”虚構”の整備や浸透を怠ると人間社会は簡単に崩壊しうるということであり、ソヴィエトなどがその代表なのだろうと思う。
ビジネスでも同じように、1人のマネジャーが見れる部下の数は10~15人と言われているけど、数百人規模のプロジェクトが機能できるのは、プロセスや手順・様式などの”虚構”を全体が共有できているからということなのだと思う。んで、経済や企業が崩壊するのは”虚構”の維持や浸透に失敗したからだと思うのです。例えば、土地”神話”崩壊に伴うバブル崩壊などが代表例だと思います。

また、人類は大局的に見ると統一される方向に向かって歴史が進んでいるというのも本書の要点である。古代都市国家やローマ帝国のような古代帝国が版図を拡大していき、中世では宗教という”虚構”をめぐる戦い(統一に向けた動き)があり、その後イギリスやオランダといった近代国家が交易を軸に植民地を拡大させていったことに象徴されるのだと思う。現代で言うと、”グローバル化”がまさに統一に向けた方向であるし、国民国家を超えたEUなどの域内連合、TPPなどの経済を軸とした連合に象徴されるのだろう。
すぐに国民国家がなくなることは考えにくいけど、アメリカ・EU・アフリカ・ロシア・中東・アジア・中国などを中心とする緩やかな域内連合から始まって、1世紀くらいかけて3極化・4極化がすすみ、その後世界は緩やかに統一されていくような気がするのです。その際に統一の原動力となるのはこれまでの宗教や民族・軍事力ではなく、経済的結びつきがカギになってくるように思います。そういった意味だと、日本とアメリカ・中国とドイツのような、必ずしも地理的・民族的に近接していない地域同士が融合されていくような気がしていて、中国の一帯一路構想なんかがその走りなんじゃないかと思ってしまうのです。

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