スキップしてメイン コンテンツに移動

『システムインテグレーション再生の戦略 ~いまSIerは何を考え、どう行動すればいいのか?』斎藤 昌義 ☆4

本業がSIer(システムインテグレーター)なので、ジャケ借り。やっぱり人月ビジネスは限界ですよね。ただ、私の会社の方向性は正しいことを再確認。



システムインテグレーション再生の戦略 ~いまSIerは何を考え、どう行動すればいいのか?

私たちシステム屋さんの仕事はこんなプロセスで進みます。

  1. お客様のやりたいこと・要望をよーく聞く。ただし、すべてを鵜呑みにしない&言われたこと以外に過不足がないかも考え、確認していく。
  2. システムとしての実現案を考え、提示する。どこまでシステム化するかに応じて松竹梅の3個くらい考える。
  3. それぞれの案について、どのくらいのプログラム規模になるかを見積もる。プログラム規模はコードの行数であるStep数や機能の数であるFunction pointで見積もるのが主流。過去実績や類似機能をベースにざっくり見積もる。
  4. お客様と会話し、どの案を採用するか決定する。
  5. 概要設計→処理フロー図→プログラムコードのように段階的に詳細化し、モノを作る。
  6. 出来上がったプログラムをソース単位・機能単位などで試験する。
  7. お客様に使い勝手を見てもらい、納品する。
家を建てるのと同じように、戸建てがいいのかマンションがいいのかを聞き、物件案を複数提案し、間取り図を合意したら実際に家をトンテン建てて、内覧してもらうという感じです。手戻りを避けるために工程がかっちりしているのが特徴ですが、反面、時間がかかるというデメリットもあります。これをウォーターフォール型の開発モデルと呼びます。



Fintechやデジタル化の時代にはウォーターフォールやシステムインテグレーションビジネスは淘汰されるという議論を耳にしますが、僕は違うと思っています。確かに、Fintech・AIなどのデジタル技術は今後大きく伸びると思いますが、たとえば銀行の勘定系(お金を預けたり、借りたりするときに動くシステム)は今後も残るでしょう。今後のITビジネスを俯瞰するには、既存の重厚長大な基幹系システム(SoR: System of Recordsとも呼ばれます)と新規領域であるデジタル系システム(SoE: System of Engagementとも呼ばれます)を分けて考える必要があるとわかりやすいでしょう。

●基幹系システム(SoR)
  • 各企業の根幹として動いているシステムです。
  • メインフレームやCOBOLをベースに作られており、築30年を超えていることもざらです。
  • 企業活動の肝となるため、高い安定性・信頼性が求められるので、従来のウォーターフォール型のプロセスが適しています。
  • 将来的にクラウド化など抜本的なコスト削減が進む可能性が高いので、SoRに過度に依存するとビジネスリスクが高まります。
  • 現在の稼ぎ頭なので、ここで上げた収益をSoEや新規技術開発に振り向け、将来のビジネスの芽を多く作ることが大切です。

●デジタル系システム(SoE)
  • スマホやPCなどでユーザーが利用する差別化・競争力の源泉となるシステムです(AIを使った投資のロボアドバイザーなど)。
  • オープンサーバーやクラウド上で稼動しており、JavaやC#・Pythonなど比較的新しい言語で書かれています。
  • マーケットインまでのスピードが命なので、アジャイル開発のような”走りながら考える”系の開発プロセスが適しています。
  • 今後爆発的に成長すると予測されるので将来性は高い一方、不確実性も高いため”小さく生んで大きく育てる”POC(Proof of Concept:実証実験)を行いながら商用化することが有効です。

ベストビュー(過去1カ月)

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編)【Day 4:卒業式】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。4 日目は卒業式本番です。とても賑やかでアメリカンな式典でした。ただしあいにくの雨、僕曇り男なのに。。

『九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 - City of Darkness』 ☆4

魔窟とも言われた香港の九龍城の住人へのインタビューや、在りし日の写真集。香港の本土返還に伴い取り壊されてしまっているけど、その怪しさに妙に惹かれるのです。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day2:晩餐会】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。 2日目は午前中はボストン観光、夕方から Hooding ceremonyという卒業生(大学院生)向けの晩餐会です。卒業式で被るHoodをもらいました。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day0:渡米前にやっておくこと】

UMASS Lowellの卒業式@Bostonについて、計画の立て方やら行く前にやっておくことやらをまとめておきます。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day5:帰国】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。5 日目にして帰国なのです。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day3:終日観光】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。3 日目は終日フリーなので、ゆっくりボストンを観光しました。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day1:ボストンへ】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。 1日目は移動だけで終わりました。

『女たちの王国 「結婚のない母系社会」中国秘境のモソ人と暮らす』☆3

雲南省と四川省の境にある「世界で最後の母系社会を営むモソ族」の社会に入り込んだ中華系シンガポール人女性の手記。結婚という概念がない・一夫一妻制でもないなど、父系社会が当たり前の我々にはイメージしづらい世界ですが、命をはぐくむ女性を中心とした母系社会のほうが生物としては正しい在り方なのかもしれません。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第3回】ソムリAI ~ニューラルネットワーク編~

AI(機械学習)やってみた、第3弾です。「ニューラルネットワーク(Neural Network)」を使ったソムリAIを作ってみようと思います。”ニューラルネットワーク”、見るからにAIっぽい名前ですよね。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第4回】ソムリAIの改良(正規化)

ソムリAI(ワインの評価を機械学習で当てる「ソムリエ+AI」)はもういいかなと思っていたのですが、機械学習の教科書的な本を読んでいるといくつか改良ポイントが見えてきたので、実際に適用してみようと思います。 まずは データの正規化 という手法を試してみました。結論から言うと、 あまり効果はなかった のです。。 ソムリAIの振り返り ワインの成分とランクのデータに対して、決定木・ロジスティック回帰・ニューラルネットワークの3通りのモデルを使って機械学習 を行い、モデルの精度を検証してきました。それぞれのソムリAIの性能はこんな感じでした。 どのモデルも概ね60%程度の精度 でした。 改良その1:正規化 正規化とは まずは 正規化 という手法を試してみます。標準化とも呼ばれます。正規化を行うことで 尺度の異なるデータを比べやすくする とともに、 はずれ値の影響を小さくする ことができます。正規化には 各データを平均0・標準偏差1に成形する手法 と、各データを 0から1の範囲に成形する手法 の2つがあります。 前者は標準偏差が出てくることからも分かるように、 データが正規分布に従うことを前提にした正規化手法 です。 元のデータが釣鐘型の分布になっている場合に有効 です。後者は単純に データの範囲を0から1の範囲に狭める手法 であり、 元のデータが一様分布の場合 (規則性が無くランダムなように見える場合) に有効 です。 どちらの手法でもデータの範囲を一定のレンジに狭めており、そうすることで異なる尺度のデータを比べやすくしつつ、はずれ値の影響を下げるのです。 正規化してみる 元データの分布を確認 前回同様のワインのデータを使って正規化してみます。まずはワインのデータを読み込んで表示してみます。ついでに機械学習で使うワインの成分と、ワインの評価にデータを分割しておきます。 【オリジナルのワインデータ】 UCI(University of California, Irvine:カリフォルニア大学アーバイン校) http://archive.ics.uci.edu/ml/machine-learning-databases/wine-quality/winequality-red.csv #入力データセットを読み込み i

ベストビュー(全期間)

Malaysia Quarantine Premium Package 【番外編】Malaysia赴任記 隔離ホテル情報

Once entering Malaysia, we need to be quarantined for 14days. At the beginning of COVID-19 spread, the hotel for quarantine have been determined randomly. In these days, we can choose "premium quarantine stay package" in advance . This article is summary of premium packages which I asked each hotel. Note: Information in this article might be old. It's better to confirm the latest plan to the hotel. Note: Only Hotel Istana can be booked via its homepage so far. As the other hotels don't show their premium package plans on their homepage, you need to contact them through their reservation E-mail address or "Contact us". マレーシア入国とともに14日間ホテルで隔離されます。当初は滞在ホテルがランダムに割り振られていたようですが、より快適なプレミアムプランが追加されました。各ホテルにどんなプランがあるのか聞いてみたので、聞いた内容をまとめます。 ※情報が古い可能性があるので、念のため最新情報を各ホテルに確認したほうがよいかもしれません。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第1回】ソムリAI ~決定木編~

最近ブームのAI(機械学習)に手を出しました。まずは、決定木(Decision Tree)というモデルを使って「ソムリAI(ワインソムリエAI)」を作ってみようと思います。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day0:渡米前にやっておくこと】

UMASS Lowellの卒業式@Bostonについて、計画の立て方やら行く前にやっておくことやらをまとめておきます。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第6回】乳がん診断AI その1

ソムリAI(ワインソムリエAI)で使った手法で乳がん診断AIを作ってみます。まずは決定木とニューラルネットワークの2つのモデルを試してみます。かなり高性能なモデルができました。名医誕生かもしれません 笑

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第3回】ソムリAI ~ニューラルネットワーク編~

AI(機械学習)やってみた、第3弾です。「ニューラルネットワーク(Neural Network)」を使ったソムリAIを作ってみようと思います。”ニューラルネットワーク”、見るからにAIっぽい名前ですよね。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day5:帰国】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。5 日目にして帰国なのです。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編)【Day 4:卒業式】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。4 日目は卒業式本番です。とても賑やかでアメリカンな式典でした。ただしあいにくの雨、僕曇り男なのに。。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第2回】ソムリAI ~ロジスティック回帰編~

AI(機械学習)やってみた、第2弾です。前回は決定木(Decision Tree)を使ったソムリAI(ワインソムリエAI)を作りました。今回は「ロジスティック回帰(Logistic Regression)」というモデルを使ったソムリAIを作ってみようと思います。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day2:晩餐会】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。 2日目は午前中はボストン観光、夕方から Hooding ceremonyという卒業生(大学院生)向けの晩餐会です。卒業式で被るHoodをもらいました。

『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト』 ☆5

一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施している「Deep Learning for GENERAL (通称G検定 ) 」 の公式テキスト 。 ディープラーニングについて1冊で網羅的によくまとめられているので 、 ディープラーニングの入門書としてもおすすめです 。 ついでに勢いで資格も取ってしまいました 。 AI人材への第一歩なのです 笑